二宮和也のIt[一途]第2回 秘密

これまであまり語られなかった

二宮和也の"一途"。

憂い顔の奥に秘めている、

彼の大切な"It"について。


窓辺に座ってはだしを投げ出す。それだけで、表情や佇まいが何かを憂い儚んでいるように見える。そこに秘められたものを知りたいー。


「無意識でいる時ほど、何かあったの?ってよく聞かれるけど、何もないよ……。今も頭の中には、マジックやりたいなって、それだけ(笑)」
本当に?だいたい、マジック好きなところから怪しい。人を騙して驚かせるのが得意だなんて。
「確かにマジックで騙すのは得意だけど(笑)、それが楽しいというより、ただ、難しいワザができるようになることがうれしいだけ。別に秘密主義でもない。教えてって言われれば、なんでも答えるよ!きのうの夜は錦戸とふたりで夜中3時まで飲んで4時までゲーム。朝は二度寝してからココに来て、それから……」

知りたいのはそういうことではなくて、たぶん、もっと彼の心の奥。


「何かを秘密にしているつもりはないけど、自分について聞かれても、うまく答えられないことが多い。たぶん、根っから自分に興味がないからだろうね。どういう人間ですか?って聞かれても、こっちが教えて欲しいよって(笑)。自分のことを全然考えないから、俺はこう!みたいな自我もないの。例えば、嵐の中にいる時も自分の意見を言わないんですよ。言わないから、もはや聞かれることもない(笑)。言わないことが秘密主義なら、そうなのかもね。でも、絶対にこれがしたいっていうこともないのに意見を言う必要もないでしょう。リーダー(大野智)も近いのかな。オレとリーダーは、嵐の活動についてあまり意見を言わないの。(松本)潤くんとか本当にやりたいことがある人がブレーンをやったほうがいいものができると思うし、自分のやりたいことは自分の世界で表現できれば十分だと思ってるから。5人分なんて責任負えないよ(笑)。もちろん、やってくれと頼まれれば、ベストを尽くそうとはするけど。
それでも、最近、事務所の人に今後の仕事について意見を求められるようにもなった。『何、やりたい?』『どう思う?』とか、オレのことだけじゃなく、後輩のことを聞かれることもある。でも俺は相変わらず、『いいんじゃないですかねぇ』って(笑)。別にそれで何かが決まったりするわけじゃないだろうから」

さめているのが、ヒネているのか。徹底的に自我を捨てている、捨てようとしているのは、どうして?


「ヒネてはいるかもね(笑)。アイドルとか俳優でこんなに自分に興味がないやつは珍しいかも。でも、アイドルも俳優も、それほど自分に興味がなくてもやっていけるんじゃないの?それに自分に興味がない分、他人には興味があるし、人の2倍は人を見ているしね。子供の頃から、騒ぎまくって遊ぶ子供じゃなかったから。なんか自然と、人のことを感覚的に見ている習性はあるだろうね」

だからこそ、人には"知られたくない秘密"や"知る必要がない秘密"があることもわかっている。


「人に興味はあっても、秘密を暴こうとは思わない。あれだけ一緒にいる嵐のメンバーの事だって、知らないっちゃ知らないしね。今、どんな友達がいて、恋をしているのかも知らないし、聞かない。秘密があるからといって、愛情が薄いわけでも、距離があるわけでもないしさ。俺、ドラマの台本もすべては読まないんですよ。自分の出る場面だけ。だって現実の世界でも、今、自分のおふくろが何をやっているかなんて知らないでしょ。最初から、すべての秘密を知っている事はリアルじゃないから。知らなくてもいいことは知らない方が、演じるうえでは自然にリアクションできるんです」

明日死んでしまうなら

誰にも言わないでおく


「今どき、アイドルだからって言えない秘密があるわけじゃない。恋愛だって、究極のところ、秘密にする必要もないよね。事務所の先輩だって結婚しているわけだしさ。人それぞれ、秘密にしたければ秘密にすればいい。オレはどうだろう?やっぱり、秘密にするかな(笑)。だって、極端な話、オレが明日死んでしまうという運命にあったとして、それを打ち明けたところで誰が幸せになるの?秘密やウソが人を救うこともあると思うよ。でも、最終的にウソは誰も救わない……?う〜ん、難しいなぁ。はぐらかしているつもりはないのに、矛盾してるね(笑)」

その胸の内には、やはり大切な秘密がいくつもあるのだろう。だけど、自分の中にそんな聖域があることにすら、彼はきっと気づいていない。


「オレが本気で話そうとすると、こういう感じになっちゃうんだよ。だって、口に出して喋ってる時点でもうなんかウソじゃん。饒舌にしゃべっている時ほど、実は、どこかで読んだだけの借り物の言葉かもしれないと思う。だから、やっぱり、自分のことはうまく話せない(笑)」


Kazunari Ninomiya

1983年6月17日、東京都生まれ。嵐として、個人として多方面で大活躍。『流星の絆』(TBS系・金曜PM10〜)が大好評。撮影現場は都内某所の元雀荘。不思議な場所なのに、全く驚く様子もないニノ。雀卓にあった牌をひとり黙々と積み上げながら、唐突に「最近、大人を飛び越えて、オッサンになってる気がする」と。理由は「気がつくと携帯電話でニュース見たりしてるから。トイレで新聞読むクセがあるオッサンみたいだなって(笑)」

MORE2009年2月号(12/26発売)

*Mami*

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