二宮和也のIt[一途]第9回 仲間たち

今年6月に26歳を迎えた二宮和也。

26年の間に出会ってきた人々、

そこで交わした一途な思いが

彼の一途をつくっている——。

取材当日は26歳の誕生日の数日後。「コレ」といつもより少しだけ弾んだ声で差し出されたケ-タイの画面には、”先輩”の文字が描かれたバースデーケーキが映っていた。


「誕生日の5日前、錦戸(亮)とご飯食べていたら突然、店の電気が消えて、コレが出てきた。サプライズでお祝いしてくれたの。普段、こういうコトをするヤツじゃないからさ、すげぇ驚いた(笑)。嵐のメンバーからは誕生日プレゼントもらって⋯⋯」

後輩、メンバー、共演者……etc.”仕事仲間”について語る時のニノは、自分のことを語る時よりも随分リラックスしていて楽しそうだ。「友達はいない」というけれど、彼には信頼する仕事仲間がいる。中には20歳以上も年上の女優もいれば、祖父母世代の演出家もいる。


「いくら年上でも、仲間だったらたいていよびすてでタメ口(笑)。年齢にかかわらず、仲がいい相手ほどそうなる。がんがんツッコむし、からかうし。でも、オレのため口とツッコミは、敬愛が前提だからね。大御所俳優に『何言ってんの?』なんて突っ込むたびに周囲はヒヤヒヤしてるだろうけど、二人の間では自然なことだったりする。一緒に仕事すると、相手の人間性もよくわかるから。才能でも生き方でも何かしら尊敬できる人で、気が合えば、自然と距離が縮まっていくよね。たとえば、今、一緒に舞台をやってる秋吉(久美子)さんはすごい不思議な人で、普段は会話しててもあんまりかみあわないの(笑)。でも、芝居の相性はすごくいいみたいなんだよね。演じていてすんなりくるから、それはすごくありがたいなって思う」

10代前半から、家よりも学校よりも現場に身をおいてきた。仕事に人生を費やしてきたニノにとって、そこでの仲間はかけがえのない存在だ。


「この仕事は周囲の人あってこそでしょう。14歳で出た初めてのドラマ『天城越え』のプロデューサーに言われたの。『ここに立てるのはお前ひとりの力じゃないぞ。照明を当ててくれる人、衣装をつくってくれる人、いろんな人がいて初めて立っていられるんだ』って。それ以来、ずっとそう思ってる。別に過剰なテンションではなく当たり前にね、みんなに支えられているって知っているし、自分も役割をまっとうしようとするし。自分の演技がどうこうより、ひとつの作品としてとらえるべきだなっていつも思う。だから、オレはたまたま自分が主演でも、現場では全然真ん中にいないの。みんなで輪になって、同じ目線でワイワイ言いながら作っていくのが楽しいし、むしろ、オレ以外の誰かが好き放題やってるとワクワクしてくる(笑)。そうすると、年齢や立場にかかわらず、いつの間にか仲よくなっていくよね」

信頼する仲間とは、絶対恋愛にはならない


みんなで一つの作品を作り上げていく道のりは、恋愛とも友情とも異なる特別な関係をつくる——。中でも親密になり、つきあい続けているのが舞台『シブヤから遠く離れて』の共演者、勝村政幸、小泉今日子、蒼井優など演技派の面々だ。


「演技派かな?『演技なんて、見る人の好みでしょ』ってあのメンバーは思ってるよ。みんな演技やインタビューではすごく考えてるように見えるけど、普段は適当だしね(笑)。少し前も小泉今日子と蒼井優が演技で何かの賞を受賞したっていうから、(高橋)克実の誕生日も兼ねて、いつものメンバーでお祝いしたんだけど。どうでもいいことを話して笑ってただけ。オフの場でわざわざ演技論とかマジメな話なんて絶対にしたくないメンバーだからね。勢いで顔にマジックで落書きしたりして。この人、世間的にはすごい人なんだよなぁと思いつつ(笑)。あのメンバーとは、絶対に恋愛にはならない。フザけた仲間だから、お互い異性になる瞬間なんて見たくもない(笑)。でも、やっぱり尊敬はしているんだよね。あの人たちの共通点って、なんていうか、普通に人間らしいの。マジメだけどマジメすぎないし。欲はあるけどイヤラしすぎないし。「賞はいらない」って言いつつ、いざもらうとうれしそうだったり。明日早いから帰るわって言いつつ、居続けちゃったり。自分勝手っちゃ自分勝手だけど、人としてブレがない。いきなり感情的に乱れたり、豹変したりしないし、自分は自分で立っている感じ。いきなり色気とか感情とかをぶつけてこないから、恋愛にならなずに仲間でいられるんだと思う」

孤独だけど、シリアスにはならない。パターン化した演技はしない。世間のモノサシには流されず、マイペースに飄々と生きている——。
敬愛する仲間についてニノが語る言葉は、そのまま、彼自身をも表していることに気がついた。


「26歳の抱負?あるわけないじゃん(笑)。年齢なんかでいきなり変わらない。今までどおり仕事頑張るよ」

尊敬している仕事仲間は
みんな普通に人間らしいの。人として
ブレがないから、居心地がいい



Kazunari Ninomiya
1983年6月17日、東京都生まれ。嵐のメンバーとして活躍するほか、役者としても高い評価を得る.嵐の初のベストアルバム『All the BEST!1999ー2009』が8/19発売。誕生日については、「誕生日のプレゼントとかメールって、もらわなくてもなんとも思わないけど、もらうとやっぱりうれしいよね」とニノ。メンバーからの今年のプレゼントは?「相葉くんは腹筋を鍛えるベルトで、リーダーはブランドもののトランプ。ディスカウントショップの袋に入ってたけど(笑)。翔くんと潤くんは、これから。『何が欲しい?』って聞かれてるところ」

*Mami*

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